AFTER GIRLS TALK【後編】

THE PATS PATS(ぱっつぱっつ)は闘う乙女なんです!【後編】

Interview / Text Ayumi Tsubouchi(VAMP! /CHICKS RIOT!)



――さて、写真についてなのだけど、これ、『Endless~』ありきで撮影されたものではないんだよね? 

あきこ そうなんですよ。
去年6月に六本木でライヴした時、今私たちのスタッフをやってくれているまりるんちゃんとそのお知り合いの菊池ゆいちゃんと終演後ゴハンを食べに行って。
そこで今後の活動について話をしていくうちに、ふたりが「私たちも何かやりますよ!」って、ゆいちゃんはさらに「写真、撮りますよ!」って申し出てくれて。
じゃあ、ということで、9月にシューティングをしたんです。
 
みどり その時から「お風呂で撮りたいね」とか、「誰かのお家で撮ろうか」とか言っていたよね。
 
あきこ それで、結局まりるんちゃん家で、ということになって。
衣装やコンセプトに関しては、その後LINEでのやりとりでざっくりとだけ決めて、細かいことは当日その場でアレンジしていって。
まりるんちゃんがシャボン玉とか、小道具を用意してくれたり、リボンをつけた方が可愛いって付けてくれたり、メイクから全部やってもらいました。
ぱっつぱっつの曲を流しながら、みんなでキャッキャッしながらシューティングして楽しかったよね

 
――そういう楽しそうな撮影風景が見えてくるような写真だよね。
 
あきこ はい、楽しかったですよ。
全員がそれぞれ現場でやりたいようにやっていたし。
 
みどり みんなそれぞれにマイペースなんだけど、それが良い感じにリンクしていて良かったよね(笑)。

 
――(笑)『Endless~』の中でお気に入りのポイントはある?
 
あきこ 写真ではお風呂のカット、話の内容としては『(美少女戦士)セーラームーン』とファッション、自分たちのやっていることを繋げて話している部分ですね。
そこはぜひ読んでもらいたいところです。
『Endless~』を読んで人からファッションについてももっと話してほしいって言われたので、いずれその辺の掘り下げた話もしてみたいと思っていて。
ファッション誌も大好きだから! 大好きな80年代についても。

 
――わ、面白そう。
 
あきこ 年末のことなんですけど、ライヴが終わったあとにあるお客さんから「岡崎京子とか好きっていう感じがライヴから伝わってくる!」って言われて、面白いなって思ったんですよ。
私たちのライヴは決して渋谷系っぽくないはずなのに。
ということは、エネルギーとか雰囲気で感じてくれたのかな?って。
音楽はもちろん、ファッションとかカルチャーも好きだから、そこに繋げて見てもらえるのは嬉しい。

 
――やっぱり、そういう風にルーツや好きなモノが見えるバンドってグッとくるよね。
 
あきこ うん。やっぱり私自身も音楽を聴くと歌を歌っている人、演奏している人、作曲をしたのがどんな人たちなのか、すごく気になるんですよ。
女性なのか、男性なのか、どういう洋服を着てどんな顔で歌っているのか…とかね。

 
――なるほど。
 
あきこ 『Endless~』は、文字と写真からいろんな角度で私たちを見たり、感じたりできるはずなので、私と同じようなタイプの人にはたまらないと思う(笑)。
撮られてみたかったパジャマ姿とか、あとはセカンドEPのカヴァーで使ったポーリーポケット、キティちゃんのカセット・プレイヤー、みどりちゃんに貰ったひみつのアッコちゃんのコンパクト、セーラームーンのグッズ…写真の中に出てくる洋服も、小物も、ひとつひとつに意味があって。
ぱっつぱっつを構成している要素が隅々まで詰まっているから、じっくり見てもらえたら嬉しいです。

 
――『Endless~』は、もはや文字と写真で紡がれたフル・アルバムといっていいかもね。
 
あきこ そうですね!

 
――…えと、ぱっつぱっつファンのこと、総称して何て呼んでいるんだっけ?
 
あきこ ファナティック(FANATiC)です。
最近みどりちゃんが思いついた呼び名なんですけど、まだ浸透してないのでこれから広めたいと思っているんですよ(笑)。
 
――(笑)ファナティック必携のアイテム。
これまでにリリースした3枚のEP盤と『Endless~』を揃えて初めて1枚のアルバムとして完成すると言ってもいいくらいじゃないかな。
 
あきこ ファナティック必携…間違いないですね(笑)。
これから製作するアルバムも『Endless~』の延長線上にあるような内容になるだろうなと思っています。だから、『Endless~』は、そのくらい重要なアイテムなんですよ。

 
――私の発行している雑誌『VAMP!』は読者の方から「繰り返し読んでる!」と言われることも多いのだけど、きっと『Endless~』も同じように手に取った方が何度も読んでしまうようになるんじゃないかなって希望を込みで思っています(笑)。
 
あきこ スルメ的な…(笑)。

 
――購入直後と、その1ヶ月後では感じ方がちょっと異なったり、その半年後、1年後に読むとまた違った解釈をすることができたり。
読む方のその時のメンタルの状態や環境によって捉え方も違うということもあるだろうし。
 
あきこ なるほど!

 
――ファナティック上級者になると、朝起きてパッと開いたページにその日1日のための言葉があるというような。
えっと…何が言いたいたこというと、そのくらいどのページも内容が濃いっていうことなんだけど(笑)
 
あきこ わははは、いいですね! ファナティックのバイブルだ(笑)。

みどり それに、『Endless~』に載せている話って、あそこだからこそできた内容だしね。

あきこ そう。この先にどこかの媒体でインタビューを受けることがあったとしても、ここまでの内容について話をするというシチュエーションはないと思う。
だから、いい意味で“ぱっつぱっつの秘密”みたいな感じになっていていいなって。
私、そういうの、大好きだから(笑)。

 
――永久保存版。
 
あきこ いやー、いいものが完成しました!

 
――これまでの自分たちをすべてさらけ出してこういう形でまとめたことで、気持ち的にすっきりしたというのはあるんじゃない?
 
あきこ ありますあります!

 
――過去の経験すべてが必要不可欠なことで、積み上げてきたものの重みや意味が改めて明確になったと思うんだよね。
それは同時にバンドとしての自信にも繋がったんじゃないかと思うのだけど、そんなことはない?
 
あきこ それはあるかも。
あと、ファンの方からこんなことを言われたんですよ。
私たちの表現を見たり聴いたりした人たち全員が、ぱっつぱっつの思うように理解をしてくれないかもしれない。
でも、できる限り、理想に向かって頑張って突き進んでほしいって。
だから、その第一歩がまさしく『Endless~』になるのかなと。
楽しかったこと、ツラかったこと、いろいろあったけど、それでも女性としてバンドを続けているということ。
自分たちの言葉で話したいとずっと思っていたことなんですよ。
それももう実現できたので、さあ、次はアルバムだ!って、今とても清々しい気持ちです。

 
――なるほどね。
あとは、ガール・バンドのナイーブな部分についてもはっきりと言及しているからガール・バンド全体のためにもなるんじゃないかとも思っていて。
ここまで語ったガール・バンドが過去にいたかな? いなかったよね。
 
あきこ うん、いないと思う。

 
――音楽が良いということと同時に、そういう意味でもぱっつぱっつは貴重な存在だと思う。
 
あきこ うわ~!

 
――ぱっつぱっつには覚悟があるって常々思っているのだけど、だからこそお願いしたいのは、バンドをやめないでということ。
とにかく、続けてほしい!って。
 
みどり ほんと、そこですよね。
 
あきこ 面白いのは、うちらが22~23歳のバンドじゃないってことですね、これまでいろんな経験をしてきての、今の私たちだから。
そこのところの自負はあります。
12月にマリル、ドロシーちゃん(※当日通訳を担当した女の子)、あゆみさんとやった初めてのトークイベント『Girls Meeting』の時、あの場にいた女性はみんな、国籍も、年齢も違うけど、全員闘う乙女なんだなってずっと思ってました。
 
みどり 不思議だけど、ぴったり噛み合っていて面白かったよね。
 
あきこ ほんと、こういう話をしていると、血行が良くなってくるよ!(笑)
 とにかく、すごく良い内容にまとまっているので、ぱっつぱっつとしてのアルバムのひとつを手にする感覚で買ってほしいなって思います。





2016.1.7 THE PATS PATS
 Interview / Text Ayumi Tsubouchi(VAMP! /CHICKS RIOT!)
 

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